投資の話でも書こうかと思ったけど、現在限りなく不確かな状況なので明言を避ける(笑)。ただ、一つだけ感じていることは先に書いておこうと思う。日本での不動産投資は巷で言われているほどオイシイ話ではない。
何故か?それはほとんどのケースで、買った瞬間から資産価値が減少していくからだ。戦後のパリやロンドンの不動産物件(中古物件含む)と東京のそれを比較するといい。日本の市街地地下指数は1998年以降一貫して下降しているのに対して、欧米の地価や土地資産額は上昇しているのだ。つまり、マイホームの購入にも意味があるし、投資してもまず損は無いということだ。家賃としての所得収入の貢献のみならず、巨額の売却益も得られる構造になっている。日本ではそのような構造になっていない上、これから人口減で家余り現象が起きる。あとは察してくれ。多分、ここまでハッキリとこういう真実を書いている人はそうはいない。
さて、主の依頼で今日イクねたじゃなかった、教育ネタを書けとのお達しを頂いたので書いていこう。なにせ『日本人の人生三大出費』のうちの一つらしいからね。ちなみにもう一つの大出費『住宅』には冒頭で触れといたけど、そのうちこれは三大出費から抜けるんじゃないかな。
ではそろそろ教育ネタ。前回は「留学のすすめ」だったが、今回はいきなりキーワードを書いてしまう。ズバリ「素養」だ。
いきなり大昔の話へ飛ぶ。かつての名作映画に「麗しのサブリナ」というのがある。最近の家入レオやチョイワルおじさん世代の女神高岡早紀のデビュー曲とは何ら関係ない点は先に述べておこう。
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チョー端折って要約すると、ニューヨークの大富豪の跡取りが、お抱え運転手の娘が洋行帰りで身につけた「素養」と「洗練」にメロメロにやられちゃって求婚する、というやや脳天気な大人向けお伽話。しかし、ここには前回触れた「留学の効果」に「教育の成果」がしっかり含まれている。主従関係を飛び越えるほどの飛躍がしっかりと示唆されているのだ。
では、この映画のコンテクストを見ていこう。まず、大富豪側のライナスだが1950年代に活躍しているニューヨーカーという設定。この頃すでにブルックス・ブラザースは存在していたが、ラルフローレンはまだ学生だった。ファッションでも何でも「洗練」といえばパリというのが一般的なイメージだったろう。
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そして、従者であるサブリナの父だが、大富豪を間近に見ていたので思うところがあったのだろう。つまり、労働者階級でありながらも資本家の会話やライフスタイルを間近で見聞きする立場だ。見落とされがちだが、ここは極めて重要な部分だと自分は考える。
それを踏まえての『気づき』として、アメリカ人に抜けている「素養」を身につけさせることが、失恋で駄目になりかけていた娘の将来につながると見抜いていたのかもしれない。何が足りていて、どのように優れているかをも知り、さらにそこに足りないものも知っていた。「強者に学ぶ」環境があったということ、これは極めて重要な要素だ。
さて、サブリナはパリで「フランス料理」を学ぶ。ここで「実践的技能の習得」を行うと同時に、更には「文化的な素養=マナー」も身につけて帰郷するのだ。同時にその副産物として「洗練されたファッション」も手に入れてニューヨークへ戻る。
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これらのセンスは所得の高さだけでは得られない、人生を進んでいく際に役立つな要素だ。人は自分が備えていない能力を持つ人に惹かれる。そういう生き物だ。それは好き嫌いといった恋愛関係にとどまらず、仕事でのパートナーシップやリクルートでもそうだろう。
この部分に僕は着目する。「教育」へ取り入れるべき事項であると考える。「えー、そんな留学の費用は簡単に捻出できねーよ」という声が聞こえてきそうだが、僕の話は留学だけにとどまらない「素養全般」に及んでいるのだ。
そもそも日本自体が文化大国じゃないすかね。例えば、華道。今や、そんなに実践者が多いとは思えないけれど、これは充分世界に通ずる素養でしょう。季節毎に咲く草花を選りすぐってアートの領域にまとめあげて家屋の装飾に利用する。ただ花を摘んで飾るのとは違い、調和や色彩構成を表現しながら空間を演出する。これは日本人として身につけられる素養であり、対外的にも極めて評価されやすい文化表現となる。
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他にも、日本舞踊でも良い。アジアは重力に逆らわずに舞う。躍動的な踊りとは別の世界であるだけにインパクトも絶大だ。
そして、こういった文化的素養を身に着けようとすることで所作や教養も身につく。習い事と素養は違う位置づけで考えたほうが良いと思う。そして、習い事は色々やらせたほうが良いかもしれない。好きなことは伸びやすい。そして、向き不向きがある。
例えば、ほとんど遊びと言っていい習いごとに将棋がある。これは真面目に取り組み始めたら別の世界になってくるが、そこそこやりましたレベルだと素養ということになる。頭の体操という側面もあるが、まさに世界的に使える素養だ。なぜなら、将棋はチェスに類似しており、将棋をさせればチェスにもすぐにでも取り組めるからだ。
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他にも何らかの武道を嗜むとか、そういった素養は将来的に役に立つことが多い。今や主流となっているサッカーやテニスができれば多くの人々と後に知り合うことができるが、『日本人として』の何か体得しておくことで知的交流が計れる点に鑑みれば、そういった素養を優先しておくのがむしろ重要であろうと自分は思う。
ユダヤ人や東欧系の人々に音楽家・芸術家が多いのは「文化的素養」を身につけさせ、いつでも何処でも生きていけるようにという温故知新。僕が現在住む街でも身近にその事実を目の当たりにしている。勿論、そういう子どもたちは進学校へと進んでおり全方位に隙がない。
前回は『留学』するように勧めたが、今回は『(文化的)素養』、そしてそれが難しい場合、もう一つ打てる手がある。それは、『文化都市に住む効用について』だが、次回の教育ネタに取っておこう。
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