ゴールドセイントあかんのか。

経済

違いの分かる男、ゴールドアメックス!

僕は渡欧前にセレクトショップで働いていた。四条河原町交差点のほぼ角地という京都で最も立地条件の良い店だった。当時の僕は服飾を生業にするつもりだったので、こういうバイトは必須であった。人々がどういうものをどのように評価するのかを自身の目で見ておく必要があった。

四条河原町/雨の香林坊/忘れてあげる(アコースティック・バージョン) [ 角川博 ]

取り扱い商品の中にはフィッチェ・ウォーモなどセーター1着で10万円以上のものもあった。こんなものをこの値段で買う人がいるのか、と当初は疑問に思ったが、当時はバブルの余波もありこういう商品が飛ぶように売れていくのを目の当たりにした。購買層は水商売関係、ヤ◯ザ、謎系自営業者が多く、大抵の人は現金で買っていた。財布にその金額を常備させる人々には随分驚かされたが、現金以外ではAmexで買う人もいた。そういう人のアメックスは大抵ゴールドだった。

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店長に言わせれば、アメックスのゴールドには使用限度額がなく、このカードを持っている人こそ人生の成功者という事だった。当時、ゴールドを所持するのに必要な審査は年収500万円以上とも、1千万ないとだめだとも言われていた。多分、現在の日本なら平均収入を超えれば手に入れられるくらいだと思う。

僕にとってのその頃の人生の成功感も随分と陳腐なもので年収500万円くらいに到達したらローンでメルセデスのCクラスが買えるようになるので、加えてアメックスのゴールドも手にしていたら一端の成功者になるのだと考えていた。

さて僕はそのカードを19年前に入手し、その後も使用し続けた。自分のカードは欧州版のアメックスゴールドなので、日本版とはサービスや補償内容などが違う点がある。そこは予め伝えておきたい。僕がこのカードを選んだのは欧州で効率よくマイレージポイントを稼げるのは当時このカードしかなかったのと、家族分の海外旅行保険が付帯していたためだ。保険代を旅行のたびに支払うというのは実に効率が悪いと自分は思っていたのだった。

もちろん、「人生の成功者」というあの頃の店長の言葉がずっと頭に残っていたこともかなり関係しているだろう。カードを入手した頃の自分には自己顕示欲があった。ある種の優越感を得たいがためにこのカードを利用しているというところもあったろう。だが、僕はある時点からそういう気負いを失ってしまったので、もはやそんな「格」はどうでも良くなった。そして、最近このカードを解約した。

何故か?

それはプラチナカードへの移行のお誘いがウザかったからだ。これは僕に対する好意とは受け取れなかった。欧州版プラチナカードが与えてくれる特典は空港のゲートを速やかにくぐれるファストレーンの使用や高級ラウンジの使用くらいだ。コロナでめっきり減った渡航でもあるし、今更こんなことだけで倍額の年会費を払えと言ってくるマーケティング感覚に呆れてしまった。20年近くいい関係を築いてきたというのに…

それに現在の自分は人への優越感なんてもはやどうでもいい。最後の自分探しの段階にもはや他者は関係ない。自分が快適に生きているかどうかが判断基準の全てだ。それと同時に、ゴールドが与えてくれる特典のつまらなさにどうにも白けてしまった。よくよく考えれば、殆どの特典は他のサービスや銀行などのサービスから得られている。また、長年で経てきた交渉術や知識でカードを上回る割引きを得ることもある。もはやこのカードは必要ないのだ。

今や出かける前にアメックスカードを持ち歩く必要はなくなった。忘れてはいけないのは自分の知性と価値観、判断基準になる。僕はアラフィフになってから次々とこういう「特別感」から自由になってきている。本当に大事なことはもっと他にある。

今回はもはやベルギーのチョコレートの枠を逸脱し、ただ単にベルギーで入手できるチョコということになる。そう、カカオバターがベルギー基準でないがため、もはやベルギーでは正当なチョコと認められていない「リッター・スポーツ」のチョコである。しかし、これはドイツチョコの雄である。
まず、価格が手頃である。店にもよるがコートドール1本(44g)の倍の容量にも関わらず、値段が拮抗して売られていることすらあるのだ。仮に少し高めだとしても小腹が減った時に満たされるのはこちらの方なのだ。バリエーションも凄まじく多いので飽きさせないうえ、ナッツも多め。噛り感で上位なのだ。チョコって「カリッ!」とか「ポキッ!」っという擬音が似合い、そこも評価の対象じゃないですか。ベルギーはプラリネの出来に自己満足しすぎて、そっち側はあんまり攻めてないわけで、そこに詰めの甘さがあった。だからこそ、ドイツチョコ勢の立ち入る隙きがあるわけでした。チョコは深い。スイス側もフランス側にもまた違う良さがあるのだが、とりあえず今回はリッターね。

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