ここ数年、稼ぎ口を2つにすべきだとか、副業しろ、事業化しろという話を頻繁に聞くようになった。
でもここで一つ疑問を呈したい。主たる経済活動である会社員以外で更に何かを模索・注力するということは自分の時間を更に減らして、本来は家族と過ごすべき時間を切り売りするということではないのか。僕は他にもっと良い方法があると思う。
安心のルックJTBや、お手頃価格が魅力のJTBお買得旅!それは自身が家事・育児を最低半分は負担し、配偶者による経済活動を増大させるということである。こうすることで減らせるリスクが一つある。万が一自分が病気になる、仕事を失うなどした時にリカバリーが可能となるということだ。また、もう一つのメリットは僕のような考えの持ち主が増えれば、女性が社会に積極参加できる土壌が築かれ、男女間の賃金格差の解消が促進されるだろうということである。多くの日本男児は家事も育児も結構面倒くさいと思っているのかもしれないが、小手先の税金回避や糊口をしのぐような手段では日本の経済状況の周回遅れの解消は望むべくもない。
もっと本質を見ろ!と僕は思う。ダイバーシティーだのなんだのを謳ってもう10年に以上が過ぎているけれど、スマホすら使いこなせない高齢者世代や僕達オジサン世代の誤ったやりかたは一向に良くならず、生産性の低いやり方が繰り返されている。日本の会社は手堅くやりたがるというか、本当に無駄な作業が多い。決定までにかかる時間が長い割にそれが結果に結びついていない。正直なところ、そういう不思議な慣習にどっぷり使ったことのない女性が出てきて手掛けたほうが早くすすむような事もあるだろう。とにかく、今までの日本男児のやり方で行き詰まっている訳だから、そろそろ大和撫子に表舞台を譲ってみるのも理にかなうだろう。行き詰まった日本男児が、またもや一斉に似たような副業を始めてもレッドオーシャンをそこら中に出現させるだけだろう。相変わらずの一辺倒でワンパターン、右に習えでよいのか。
また、税金が足りない政府がいつまでも逃げ道を放置し続けている訳もないと僕は思う。猫も杓子も副業で事業化を始めたら、次には税制が改正されるだろう。何故、多くの人は本質を見失って、すぐに二番煎じを目指すのだろう。それに自営業みたいなことに向いている人もいればそうでない人もいる。そこは推して知るべし。まあ、色々なことに挑戦するのはいい。でも、それは果たして自分にとっての最適解なのか、自分の頭で判断する能力をまずは身につける必要がある。確かにこれからは一生を同じ会社で過ごすことはとても困難になっていくだろう。だが、会社員がもっとも得意なことは会社員だ。未知の事業での勝率、またどれ程度の期間でどれくらいのリターンを得られるのかも考えないといけないだろう。
副業は確かにこれからの未来を生き抜く一つの手段ではある。だが、昨今取り沙汰されている類のものはあくまで暫定的サバイバルテクニックでありサステイナビリティに欠けると自分は思う。家族との生活に貢献しながら、自らも富んでいくのが最善策であることを念頭において行動に移してほしいと思う。
また、近年やたら規模を拡大し続けているネットフリックスやゲーム市場の意味も今一度考えて見る必要がある。これらの物に時間を割き、知性の成長をスポイルされる意味を。ゲームもネットフリックスも人から与えられているものを受動しているだけだと理解してほしい。しかも、パターン化されたシナリオに感情をコントロールされているのだ。そんな物に貴重な時間を捧げていていいのか…
多分、今の日本に必要なのは女性に今以上に活躍してもらうこと、更には自分に体系的な知識をつけて充分な論理的思考で進んでいけるようにすることだ。また、家事・育児に積極的に関わっていくことで見えてくる事は多々ある。自身でスーパーへ買いものに行くことで実際の景況感やトレンドを把握したり、家計をどのように改善できるかも見えてくるかもしれない。配偶者とは異なる料理や洗濯の手法で、食生活や衣料についても自分なりの新たな見解が生まれるかもしれない。食卓にならぶレパートリーも増えるだろう。
安易な副業はかつての内職よりはマシかも知れないが、将来性に富んだ最良の選択肢なのかは今一度考えるべきであろう。いろいろな情報が行き交うなか、自分で本質を見つけないといけないと思う。
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