午堂さんを待ちながら

教育

ニューリッチへの案内人、午堂登紀雄さん

僕が常にその動向を注視し、コラムがあがるのを心待ちにしている人がいる。それは午堂登紀雄さんだ。オールアバウト界隈や経済誌のコラム欄などに出没するこの人は「ニューリッチへの道」を説くガイド、道先案内人である。

ゴドーを待ちながら (白水Uブックス) [ サミュエル・ベケット ]

まず「ニューリッチ」って何やねん!成金?金持ちニューカマー?もう、こういう造語だけでシビれるー、憧レルー!。そして、一際目を引くコラムの題名「金持ちはこうする、貧乏人はこう」みたいなシリーズ。アメリカ映画並みに紋切型で主観的になっており、大変わかりやすい。

そもそも、彼自身が(たぶん)貧乏からニューリッチ!?に成り上がった人なので、確固たる信念と経験に基づいた鋭い洞察なのだろう…奨学金を借りた話等も時折出してきており、現在の強烈な断定口調も、成り上がり感も半端なく本物だと読者を安心させる。同じく苦労人だが、彼には遠く及ばない自分にしてみても共感を覚える部分は多々ある。

しかしながら、彼が熱を込めて俺様節を炸裂させる度に、自分はいろいろと突っ込みたくもなる。これこそ、自分が最も彼に期待している部分だ。「この人はおもろい」のである。ツッコミどころ満載なのである。トラジェ・コメディーを軽く超え、もはやコミカルなノリですらある。本当のところ、僕は彼のコラムを半ばエンタメとして楽しんでいるのだ。僕には彼のように1年で70万円を3億にする才覚はないので、再現性があるなら素直に真似したいなと思いつつも…

富の再分配は?

さて、彼のエンタメぶりだが、例えばこんな調子。「むしろ高所得世帯にバンバン振る舞ったほうがいい」 給付型奨学金を親の年収で制限するおかしさ まず、さわりというか導入部。「年収の上限を設けるのはおかしい」と一見常識的なことを書いて煽っている。彼の場合は法学部出身なので「おかしいかおかしくないか」、「正しいか正しくないか」で考えちゃうのですかね。

「稼ぐ子」に育てるために今すぐやめる24のタブー [ 午堂登紀雄 ]

まず、「富の再分配」というテーマを覚えましょう。近年云々されている「親ガチャ」は、富の再分配が正しく行われていない現状による。でも変に真実に気づくと「ニューリッチ」になりそびれちゃいますね。

熱意?

続いて優秀なら給付対象にすればいいと仰ってますが、それは彼が述べようが述べまいがこれは世界的な潮流で、今後は更にそうなります。日本はこの点で周回遅れですが、天才をちゃんと扱わないと国が衰退するんで。

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そして、ここから彼は急加速。「学問に適性がない、あるいはさほど熱意がなければ、貸与型の奨学金で十分だ」と論理を破綻させながら、突如モブやその他大勢キャラを切り捨てます。

おいおい、なぜそうなる(笑)まず、貸与型を申請してまで進学しようと言うからにはそれなりの覚悟があることにならないですかね。また、ひとくくりにして本当にいいんですかね。また、熱意ってどうやって測るんですかね。その辺りに合理性や論理性があまり感じられないんですけど、そこはニューリッチの特性なのでしょうか。たぶんですが、生活環境やその地域の学校のレベルその他のせいで、勉強に熱意を注ぐことができないということもあるでしょう。さらには日本の古びた教育システムに意味を見いだせないような天才も埋もれさせて、国が衰退していくように思います。進学云々以前に教育の意義・意味あたりまで考えておいたほうがいいと思いますが…

学業がダメなら

そして学業が優秀じゃなければスポーツやクリエイティブ分野などに行けばいい、と安直なことを言ってます。ホリエモンも似たような発言をする傾向がありますが、彼のほうは「家庭を持ってささやかな幸せ」とかとかそういうことを根本的に考えない人々、自己実現を最優先として生きる人に向けて発信しているんで、午堂さんとはコンテクストが異なります。午堂さんのほうは「1億稼ぐ子どもの育て方」なんて本を出してるくらいだから…自分のみならず「我が子も億り人計画」です(笑)

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さて、話を戻すと、そもそもスポーツやクリエイティブ方面の方が過酷だと思うし、これらの才能はほぼ遺伝に依存します。その分野が得意な子供は大学進学を考えるタイミング以前にとっくにその片鱗を見せてるって。「周りに言われんでも勝手に進んで行くわ!」とツッコミたい。

学歴とは

そして、このあとの論法として専門学校やら通信制大学やら、防衛大やら全部一緒くたにして勧め始めます。多分、防衛大って午堂さんの行ってた大学より難しいんじゃない。頭の中で難易度きちんと整理されているのだろうか…

そして、彼が根本的に情報をアップデートできていない事は難関大学=高学歴と考えている点。いや、そうじゃないって。むしろ、それは高学歴への入り口。これからは学部で真面目に勉強して正しい知識、論理的思考を身につけ、要すれば院まで進んで専門性を目指すと言う時代。真面目に勉強すれば在学中に英語も身につけられるし、優秀な人は日本以外のアジア諸国でも、欧米でも目指せばいいって。そうなってくれば、日本企業は躍起になって優秀な人材を確保すべく高給を払うようになって、企業内に溜め込んだ資金を日本の経済を回すために使う様になるんだよ。あら、いつのまにか自分が暴走してしまった(笑)

再分配してね

さて、ここまで引っ張ってきた午堂さん、ついにまとめに入ります。「次世代を担う人材を育てること、優秀な人材に投資することに、親の所得は関係ない」と突然宣言します。

いやいや、考えてよ再分配(笑)何しろ、ニューリッチなんだから。アメリカの金持ち(ニューリッチじゃないかもですが)は、派手に大学に寄付します。そのお金で、レガシー枠とかいうズル技で子息子女が名門大学に入れたりするので、それはそれで胡散臭いけど、良い大学が存続するにはニューリッチな人々の寄付とかも必要でしょうよ。次世代に回さず、むしろあなた自身がバンバン税金も収めちゃってください。

よろしくお願いします!

午堂さんが述べられているように、高所得者は教育に熱心なので自力で彼等の潤沢な資金でもって、然るべく進学先へ子どもたちを送り込むので彼らの分の学費は心配いりません。また、大学に使うお金を惜しいと思う程度の人々はそもそも高所得者とは呼ばないのです。そういや、ニューリッチの定義とは何だろう?富裕層だけど、我が子の学費を出したくない人々?もし、そうなら腑に落ちます。

午堂さんの飽きさせない展開のコラムが本当に大好きです。一度、日本に戻るタイミングで彼の講演を見に行ってみようかな。知らんけど…

さて、今回のチョコはプライベートブランド系。大手スーパーカルフールのプラリネBOX。値段は良心的ですが味もそれなり。味は正直ちょっと油っぽくてくどい。鮮烈なカカオの味!みたいなのは期待できません。普通にチョコ味もするし、ミルク系もあるんだけど、メリハリにかける気がする。やはり、チョコは値段相応にしか味が楽しめないのだと重要な気づきを得ました。そういう意味では、良い買い物でした。

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